新司法試験めぐり告発へ 論点漏らした慶大教授を
2007年7月27日 02時06分
新司法試験の考査委員だった慶応大法科大学院の植村栄治教授(57)が、試験前の答案練習会で実際の問題に類似した論点を学生に説明していた問題で、弁護士で神戸学院大法科大学院の樺島正法教授(64)らが26日、国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで、近く植村教授を東京地検に告発する方針を固めた。
樺島教授らは「試験問題を作成する考査委員と法科大学院の教授の立場では利益相反が起こる」と主張。考査委員から法科大学院の教授をすべて除外し、第三者の法学者などで構成するよう求める上申書を近く、長勢甚遠法相あてに提出する。
植村教授は問題発覚後の法務省の調査に「合格者数維持が念頭にあった」と説明、6月29日に委員を解任された。
告発するのは樺島教授や弁護士ら約30人。告発状などによると、植村教授は法相が任命する非常勤国家公務員の考査委員として、新司法試験の出題と採点を担当。
5月の試験前の2、3月に計7回、答案練習会で学生に行政処分の執行停止などについて解説し、その後参加者に送った電子メールで、入管難民法の判例を優先的に勉強するべきだと紹介した。
(共同)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007072601000844.html