ここでも書いたが少し書評をやる。
なおこの記事は、
書評というカテゴリで行われています。
関連する記事は、
『他人を見下す若者たち』と『のだめカンタービレ』
ですね。
出版側(講談社)の戦略がわかって面白いと思います。
では、はじめます。
読んだ時、あぁ、一般の若い女性には確実に受けると思った。
宮本輝の『オレンジの壷』を読んだ時に似た感触。『オレンジの壷』って
内容は、ようは人間的に性格に少し難のある女性が旅をしながら
自然とあぁ自分の魅力がなかったのね性格がだめだったのねという
のを自然と悟っていくドラマなのです。冒頭にストレートにA4用紙2枚位で
ここはこうしなさいといわれればストレートで話は終わるのですが、
敢えて女性の身になって考えて自然と・・ってドラマなのだ。
で、本題に戻すと、この漫画の初まりは、主人公の女性、のだめの
ごみ部屋で始まる。で、同じマンションに住んでいたイケメン指揮者が
当時付き合っていた女の子に捨てられて、彼女の部屋にひょんな
ことで来たとき、「ギョッ!!」とするわけ。
ところが、これはおかしい。イケメン指揮者は、それまで恋人も
いたし同棲経験(に近いこと)もあるわけ。つーか、普通女の部屋に
入ったこともあるわけ。複数の。
だから、「ギョッ!」とはしない筈なのだ。見慣れているから。
あぁ、面倒くさいなぁ。と思った。要は2ちゃんねる化している訳
だよね。それを読んでいる読者は。
Yuichiroブログについてでも取り上げたけど、
自分は表に出てこないってこと。
ストレートに昔のスポコンドラマのように
「お前は今はできない。這い上がれ」とかはやらない。
やらないに止まらず、「いや、あなたの話じゃないけど
こういうごみ屋敷の落ちこぼれの女がいてね。」と
他人毎の話をするわけ。
で、作っている側は「どうせ、おまえらもごみ屋敷
なんだろ。似たもの同志だな(笑。
さて、お前らが喜ぶように話を作ってやろうか。
イケメン君はお前のうちがごみ屋敷なんだと
知らなかったということにしとこう。
お前らはそっちの方が喜ぶだろ。
お前達と関わっている男が『あぁ、そんなこと知っているよ。
当たり前。慣れてるよ』というコメントは聞きたくないだろうから
そこから適当に『ハイソ』な気持ちを味あわせてやりゃいいんだろ。
恋愛もさせて。。」
というなめ腐った製作者側の根性が見えてくる。
しかし、多くの男女はこれを拒否できないだろう。
よわっちいから。「ペナントレースやまだたいちの奇蹟」(こせきこうじ)
のような根性は持ち合わせてないのだ。
『野ブタをプロデュース』も同じ構図だ。